退職慰労金として取締役に不動産を給付する
長年会社のために貢献した取締役に対し、退職金を支払う場合、まれに不動産の現物給付が行われることがあります。
その際の登記原因は、何でしょうか。
役員に、報酬を支払う場合、その根拠条文は、会社法第361条が該当します。定款に報酬の定めがない場合は、
株主総会でこれを決めることになります。不動産の場合は、金銭以外の財産ですから第1項第3号が該当することになります。
この場合の登記原因は、質疑応答があり、「年月日退職慰労金の給付」とすべきとされています。不動産なのに「退職慰労金」という表現は何か違和感がないでもないですが、一応、先例に従っておいたほうが良いかもしれません。
なお、本条による給付の場合は、「売買」や「贈与」などと違って、報酬の支払いですので、いわゆる会社と役員の間の利益相反行為には該当しないため、議事録等の添付は必要ありません。